4月4日から7日まで、社内で復興支援キャラバン隊を編成し、

東日本大震災の被災地を巡りました。

 

震災の凄まじい映像を見るにつけ、義援金だけでなく、

自己満足・売名行為・危険・意味ナシと言われても、

少しでも何か直接的に役に立ちたいという想いからです。

 

私たちは自動車ディーラー。

人とモノを目的地に届けるライフラインの一種でもある自動車を扱う会社として、

車10台・自転車50台、そしてトランクには救援物資をめいっぱい詰め込んで、

宮城県庁等に寄贈するのが主な目的です。

社内キャラバン隊37名、広島から車で往復しました。

 

全てを飲み込み、地上でさえ液状化する津波・地震の破壊力を目の当たりにし、

日常を送れる有り難みを感じます。

亡くなられた方のご冥福を心からお祈りし、

被災された方々の希望溢れる生活が早く取り戻せることを願うばかりです。

 

一方で、世の不条理さも感じざるをえません。

いま一番物資やお金を必要としている方々に、

私たちごときの物資では全然足りないですし、お渡しすることができません。

私たちの救援物資は、宮城県庁と仕事関係の方々に渡りました。

 

今思うこと。

やはり、何か困った時に助けになるのは、

家族であり、親戚であり、友人であり、そして会社のグループであること。

普段の生活から、近所付き合いをはじめ、

家族や仲間や同僚を大切にする生活を送ること。

 

そして、やはり義援金・救援物資は行政・地方公共団体に集まるということ。

仕事関係なら、親会社に集まります。

ここのリーダー・トップがきちんと機能し、

正しいことを早く、的確に動くことが絶対に必要だと思います。

 

政治的リーダーシップの欠如や、

原発問題でのトップの対応を見れば一目瞭然です。

巨大な山の頂上で起きた判断ミスは、

裾野で必死に生きている普通の人々を飲み込んでいきます。

 

リーダーとは何か、考えさせられます。

私も、社員を守るという点においても、日常の仕事を投げ出すという点においても、

社長失格かもしれません…。

 

それでも、行って良かった。

現地で「ありがとう」という声を聞けただけで。

 

37名のキャラバン隊のメンバー。

100名近い社内志願者。

広島に残り、キャラバン隊メンバーの分まで仕事をしてくれた社員。

 

被災地に行く人も、残って仕事をする人も、広島マツダ全員が救援活動をしました。

気持ち一つで繋がりながら、想いを共有できたこのプロジェクト。

もしかして、被災地のためでなく、自分たちのために行ったのかもしれません。

 

次の「ビリーブプロジェクト」は、

ボランティア村を作った仲間がいますので、それを側面支援したいと思います。

復興は、はじまったばかり。

復興は、これからです。

2011年4月

広島マツダ 代表取締役社長 松田哲也